このレビュー論文の著者らは、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の高周波(RF、100 kHzから300 GHzまで)電磁界ガイドラインについて以下のように論じている。ICNIRPは、同ガイドラインにおける電磁界と健康についての見解は現在の科学的理解と一致すると主張しているが、この著者らは、同ガイドラインとその附属文書の参考文献の執筆者の多様性が広範な科学的基礎を構成しているという基礎的要件を満たしており、その見解が現在の科学的理解と一致するかどうかを調べた。その結果、同ガイドラインおよびその参考文献は、僅か17名の中心的な研究者のネットワークに由来し、彼らの大半はICNIRPおよび/または米国電気電子学会(IEEE)に加入しており、ICNIRPガイドラインそのものの著者も含まれていた。更に、同ガイドラインで示された独立委員会による文献レビューは、実際には同じ著者らの非公式なネットワークによるもので、これらの全ての委員会には同ガイドラインの執筆者がメンバーに含まれていた。このことは、同ガイドラインは基礎的な科学的品質要件を満たしていないことを示しており、ヒトの健康防護のためのRF電磁界ばく露限度の策定の基礎としてふさわしくない。よって、同ガイドラインは良いガバナンスの基礎を提示することはできない、と著者らは結論付けている。
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