[中間周波電磁界の影響：動物研究のレビュー] review

このレビュー論文は、300 Hzから10 MHzまでの中間周波（IF）電磁界の生体影響研究、特にげっ歯類を用いた動物研究を要約した。1988年1月から2021年8月までに発表された、悪影響全般、発がん作用、発達段階への影響についての動物研究を含む文献から入手可能なデータを分析に盛り込んだ。妊娠中または新生児期のIF電磁界ばく露と、行動学的変化および認知変化を関連付けた研究を含めた。また、脳における遺伝子発現パターン、学習および記憶に関連する行動パターン、免疫機能に対する影響もレビュー対象とした。その結果、大半の研究ではIF電磁界は無害であることが示唆されたが、一部の研究では発育段階のばく露または長期ばく露後の悪影響が報告された。IF電磁界については、超低周波（ELF）または高周波（RF）電磁界と比較して、健康影響のより多様な側面についての研究が実施されておらず、最新の生物医学的ツールを用いた更なる研究が必要である、と著者らは結論付けている。