マイクロ波はフリーラジカルを生成し、抗酸化防御を低下させ、酸化ストレスを生じる。この研究は、ナノ粒子を模倣した抗酸化酵素、ウシ血清アルブミン（BSA）共役二酸化マンガンナノ粒子（MNP*）を用いて、これらの有害な影響に対抗することを目的とした。雄のWistarラットをマイクロ波ばく露およびMNP*処理し、生殖パラメータに対するそれらの単独および複合的な影響を調べた。その結果、マイクロ波ばく露はテストステロンのレベルを有意に低下させ、精巣の形態を変化させた。精巣の抗酸化状態は低下し、脂質過酸化は上昇した。また、精子数、精子の生存率、膜の完全性、およびミトコンドリア活性の有意な低下、ならびに形態異常および脂質過酸化の有意な上昇を含む、精子パラメータの変化も認められた。結果的に、マイクロ波による変化は雄性の妊孕性に影響するかもしれない。一方、マイクロ波とMNP*への複合ばく露は、これらの変化を有意に減少させた。このことから、MNP*はラットの生殖系におけるマイクロ波による酸化ストレスが介在する損傷を減少させ得る、と著者らは結論付けている。
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