[軍事環境におけるレーダーおよび無線ばく露とがんについて] epidem.

On radar and radio exposure and cancer in the military setting

掲載誌: Environ Res 2023; 216 Pt 2: 114610

この研究の著者らは2018年の先行研究で、高強度の高周波RF放射への全身ばく露の数年後にがん診断された患者47人の症例シリーズを報告している。このグループでは一貫して高く、統計的に有意なリンがんが認められた。今回の論文で著者らは新たに、兵役中にRF放射ばく露された若いイスラエル兵のがん患者46人について報告している。この患者らは、行政相談ならびに法律および社会サービスを支援する非政府組織(NGO)と協力して研究に自ら参加した。彼らをがんタイプの分布(比率)に関して調べた。可能な場合、がんリスク比(RR)も推定した。結果を3か国の他の職業グループと比較した。患者の平均年齢は23歳、ばく露期間は1-3年間、潜伏期間は短く、中央値は4.6年であった。血リンがんの割合は19人(41.3%、95%信頼区間(CI)= 27-57%)で、これに対して年齢および性別でマッチングした非ばく露被験者での期待値は22.7%であった(p = 0.003)。ホジキンリンパ腫の割合は12.7%(95% CI = 11%-36%)で、非ばく露被験者での期待値は11.6%であった(p = 0.033)。6人のサブグループについて、8年後のがん全体のRRの近似値を8.0(95% CI = 2.9-17、p < 0.002)と推定できた。がん登録データからの期待値は0.75であった。このサブグループでは、血リンがんが3例、非血リンがんが3例であった。患者46人のうち7人が肉腫診断され(15.2%、95% CI = 6.3%-28.9%、p = 0.04)、これも期待値(7%)より高かった、と著者らは報告している。

ばく露

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