この研究は、835および1900 MHzの半波長ダイポールアンテナにばく露した三次元（3D）解剖学的ヒト頭部モデルにおいて、組織の誘電特性に予想されるばらつきによる比吸収率（SAR）のばらつきを調べた。確率論的有限差分時間領域（S-FDTD）を適用して、局所SAR、ならびに1 gおよび10 g平均SARのばらつきを計算した。また、835 MHzでのこれらをモンテカルロFDTDでのばらつきと比較した。その結果、どちらの周波数でも、誘電特性のばらつきは、周波数に応じて平均SARの約30-55%のばらつきを1 gおよび10 g平均SARのピーク値に生じることが示された。これらの結果は、ばく露ガイドラインの評価のためにSAR計算値の95%の信頼区間を得るには、組織の電気的特性の統計的ばらつきを考慮しなければならないことを示している、と著者らは結論付けている。
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