この研究は、携帯電話からの心臓までの間隔の変化が心拍および心拍変動(HRV)に及ぼす影響を、健康なボランティア被験者を対象に調べた。心臓から右耳までの間隔は、心臓から左耳までの間隔よりも長いことを考慮して、ボランティアを右利き31人(平均間隔37.5 cm)と左利き32人(同33.6 cm)の2群に割り付けた。HRVは市販の心電図記録計を用いて自動計算した。その結果、心拍間隔の標準偏差(SDNN)、心拍間隔の5分間平均値の標準偏差(SDANN)、隣接する心拍間隔の差の二乗平均平方根(RMSSD)、HRVの低周波成分[血圧変動に対応]および高周波成分[呼吸変動に対応]の値、ならびに低周波と高周波の比率に、統計的有意差は認められなかった。左利き群では右利き群と比較して、隣接する心拍間隔の差が50 msを超える心拍の割合(pNN50%)が有意に低かった(p = 0.014)。これらの知見は、携帯電話から心臓までの間隔の増加がたとえ少なくとも、心血管系に及ぼす負の影響を減らすことができることを示している、と著者らは結論付けている。
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