[4G携帯電話放射の誘導加熱による頭部組織の比吸収率についての実証研究] tech./dosim.

Empirical study on specific absorption rate of head tissues due to induced heating of 4G cell phone radiation

掲載誌: Radiat Phys Chem 2021; 178: 108910

この研究は、携帯電話放射への長時間ばく露による脳、眼および皮膚組織の熱的変化および比吸収率SAR)を調べた。ヒトの頭部(皮膚頭蓋骨および脳)を模擬したファントムを長時間(600秒以上)ばく露し、異なる部位での温度変化を高感度熱電対プローブで調べ、温度およびその他のパラメータの変化を用いてSAR(ひとつながりの組織1 gあたり)を決定した。その結果、脳の温度上昇は平均で0.10 ℃、30 mmの深さで0.05 ℃で、SAR推定値は0.66 ± 0.35 W/kgであった。眼窩での温度上昇は0.03 ± 0.02 °C、SARは0.15 ± 0.08 W/kg、皮膚での温度上昇は平均で0.14 ± 0.05 °C、SARは0.66 ± 0.42 W/kgであった。SAR測定値は国際的な推奨値である2 W/kgを下回っていたが、携帯電話ユーザー数および通信目的での携帯電話の長時間使用の驚異的な増加にかんがみて、その累積的影響はヒトの健康に対する現実の懸念となりうる、と著者らは結論付けている。

ばく露