[インド・チェンナイの携帯電話タワー周囲の放射ばく露領域の25 m以内に居住する人々における小核分析：観察研究] epidem.

この研究は、携帯電話タワーからの高周波（RF）放射の遺伝毒性作用による、はく離した口腔細胞における小核の有無を、インド・チェンナイの携帯電話タワーの周囲10-25 mにある3地域で無作為抽出した被験者108人（5-50歳）について評価した。採取した口腔細胞を分析し、ギムザ染色を用いて小核の有無を調べ、Pearsonのカイ二乗検定およびStudentのT検定を用いて統計的に分析した。その結果、被験者の55.05%で、調査した10個の領域のうち少なくとも1個の領域に小核の存在が認められた。残りの45.95%には認められなかった。小核は0-10歳の年齢グループでより多く認められ、女子で圧倒的に多かったが、統計的に有意ではなかった（P > 0.05）。小核の存在は、環境遺伝毒性、およびRF放射への定常的なばく露による健康への悪影響の前提条件とみなすことができる、と著者らは結論付けている。