[近接する電磁波源と生体との容量結合のメカニズム] tech./dosim.

Mechanism of Capacitive Coupling of Proximal Electromagnetic Sources With Biological Bodies

掲載誌: Bioelectromagnetics 2022; 43 (7): 404-412

この研究は、電界結合が支配的となる、帯電したアンテナの先端のような、身体近傍に高度に局在する電磁波源にばく露された一様な生体組織における誘導電界吸収を調べた。そうした条件は、波源と身体との間の小さな離隔で評価される携帯電話の適合性試験において重要である。この研究の著者らは、距離の関数として組織中の誘導電界の減衰を特徴付ける近似法を導出した。アンテナ先端の電荷の関数として、組織表面での局所比吸収率SAR)で吸収を定量化した。この近似法は、準静的状態下での帯電した円盤の電界の分析評価に基づく。この近似法を、ダイポールの全波シミュレーションを用いて検証した。その結果、電界の結合メカニズムは垂直方向の電磁界成分によって支配されること、および、ばく露の特性評価では電波伝播を考慮する必要はないことが示された。表面でのSARは概ね距離の4乗、組織と自由空間の透磁率の比の2乗で減少する。この近似法では、1.5 dB以上の良好な精度で誘導電界の最大値を予測できる、と著者らは報告している。

ばく露