[シンチグラフィーおよび組織病理学的評価による超低周波の後の鼻粘膜線毛クリアランス] med./bio.

Nasal mucociliary clearance after extremely low frequency by scintigraphic and histopathologic evaluation

掲載誌: Laryngoscope 2023; 133 (9): 2081-2089

この研究は、鼻シンチグラフィーおよび組織病理学的評価による鼻粘膜線毛クリアランス(MCC)に対する、超低周波(ELF)磁界ばく露の影響を調べた。ラットをELF磁界ばく露群(1、1.5または2 mT、4時間/日、30日間)および対照群に割り付けた。鼻シンチグラフィーでMCCを測定した。鼻組織を、浮腫炎症、充血、壊死、繊毛損失、杯細胞密度、および線維芽細胞増殖について調べた。その結果、鼻粘膜繊毛クリアランス率(NMCR)の計算値は、対照群で33.13 ± 5.91%、1 mTばく露群で27.78 ± 4.7%、1.5 mTばく露群で22.67 ± 5.43%、2 mTばく露群で18.11 ± 6.33%と、磁界強度の増加に伴い減少し、1.5 mTおよび2 mTばく露群では対照群との有意差が認められた(p < 0.05)。鼻粘膜繊毛輸送率(NMTR)は、対照群で2.17 ± 0.33 mm/min、1 mTばく露群で1.82 ± 0.32 mm/min、1.5 mTばく露群で1.46 ± 0.34 mm/min、2 mTばく露群で1.24 ± 0.29 mm/minで、1.5 mTおよび2 mTばく露群では対照群との有意差が認められた(p < 0.05)。1.5 mTおよび2 mTばく露群では対照群と比較して、浮腫、充血、炎症、繊毛損失、および杯細胞密度に統計的有意差が認められた(p < 0.05)、と著者らは報告している。

ばく露