[高周波放射へのばく露の制限:保健防護のための原則および考えられるクライテリア] basics

Limiting exposure to radiofrequency radiation: the principles and possible criteria for health protection

掲載誌: Int J Radiat Biol 2023; 99 (8): 1167-1177

この総説の著者らは、生活環境における一般公衆に対する高周波RF電磁界レベルの管理に関する限度値の合理的なレベルを査定するため、熱作用非熱作用の両方の機序を考慮した、健康防護のための原則およびクライテリアを以下のように検討している。RF電磁界の影響についての最近のレビューで発表された分析の結論と、異なる国々でのRF電磁界測定からのデータを組み合わせて、考えられるクライテリアを選択し、「合理的に達成可能な限り低く(ALARA)」の原則に従った健康防護の限度値についての提案を導出している。検討の結果、ヒトの健康に対する非電離放射線のインパクトを判定するための2つのモデルにつながった。1つは電磁エネルギーの吸収に基づく熱的モデルで、これは組織の加熱を制限する閾値を有する。もう1つは非熱的なモデルで、これはコヒーレントな電界が一定温度で生物学的影響を生じる能力に基づいており、閾値はない。よって、ヒトの健康に対するRF電磁界のインパクトを排除することはできないが、放射のレベルを制限することで最小化することはできる。その限度値は間接的なクライテリアに基づいて選択できる。生物学的影響を生じるRF電磁界の最小レベルは約2 V/mである。長期的な放送電波のレベルは6 V/mで、人々はこのレベルに対して観察可能な健康問題を生じることなく適応すると仮定することができる。過去数年間に測定されたRF電磁界レベルは5 V/mを超えることはなく、新たな世代の移動通信技術によってレベルは低下している。RF電磁界レベルを6 V/mのピーク値に制限することで、人々が適応できる最小レベルに健康リスクを低下することができ、移動通信技術の更なる発展を制限することはなさそうである、と著者らは結論付けている。

ばく露