[低周波磁界の近傍界ばく露の基本制限への適合の効率的な証明のための包含係数] tech./dosim.

Coverage factors for efficient demonstration of compliance of low-frequency magnetic near-field exposures with basic restrictions

掲載誌: Phys Med Biol 2023; 68 (3): 035007

規制当局は、ワイヤレス電力伝送(WPT)およびその他の強磁界発生源が、誘導電界電流密度比吸収率制限値として定義される基本制限に適合することを求めている。これは、人体がない空間内で定義される参考レベル、即ち入射電界磁界制限値への適合を証明することで達成可能である。WPT送信装置のような局所的な発生源は、不均一な界を生じ、これは局所的に参考レベルを超過する可能性があるが、基本制限は依然として下回る。この場合、基本制限への確たる適合を証明するには、一般的には大量のシミュレーションを要する。この研究は、均一なファントムを用いて、高度に不均一なヒト組織の誘電特性のコントラストによって生じる局所的な界の強化を考慮した包含係数を適用した、効率的な評価法を提案している。異なる離隔距離(2-80 mm)で、12種類の解剖学的モデルの背後に置かれた、4つの近傍界磁界発生源について観察された界の強化の統計的分析から、一般的に適用可能な包含係数を導出した。界の強化は、解剖学的モデルにおけるピーク誘導電界と、同じ距離での均一な半空間ファントムにおけるその値との比率によって特徴付けられた。得られた包含係数の99パーセンタイル値は、ドシメトリ量に依存して1から9の範囲であった。この包含係数を用いることにより、適合性試験の労力が100回のシミュレーションから1回に低減され、シミュレーションによる支援なしに実験的な検査を実施可能であることが示された。この研究はまた、解剖学的モデルを用いてほんの数回の利用ケースシミュレーションを実行することは、10 dBを超えるばく露の過小評価となり得る、と著者らは結論付けている。

ばく露