研究のタイプ: リスクコミュニケーション/リスク認知の研究

[リスク認知に対する一般化説明の影響] risk

Effects of generalization descriptions on risk perception

掲載誌: Environ Res 2023; 223: 115422

この研究は、リスク認知に対する一般化説明の影響を調べた。オンライン実験では、参加者629人を無作為に3群に割り付けた。G1群は、国際がん研究機関IARC)からのオリジナルの報道発表の抜粋(携帯電話がんに関して、高周波RF電磁界を「ヒトに対して発がん性があるかもしれない」に分類したもの)を受け取った。G2群は追加的な説明文を、G3群は書き直された文章を受け取った。G2群およびG3群には、あるかもしれないがんリスク携帯電話のみを指すことを強調した。携帯電話および関連する個人用デバイス、基地局、および高圧電力線に関するリスク認知を、独立変数として文章を読む前と読んだ後に測定した。更に、参加者が携帯電話に関連するRF電磁界ばく露からそれ以外のRFばく露に一般化する度合いを評価し、これが文章を読んだ後のリスク認知の予測因子となるかどうかを判定した。その結果、リスク認知に関しては、3群間で文章を読んだ後に差異は認められなかった。むしろ、3群全てで全ての電磁界発生源に対するリスク認知が高まった。但し、リスク一般化の信念による有意差が認められた。リスク一般化の信念が強い回答者では、リスク一般化の信念が弱い回答者と比較して、全ての電磁界発生源(携帯電話を除く)に対して有意に高いリスク認知が認められた、と著者らは報告している。

ばく露