研究のタイプ: 法律/推奨/ガイドライン

[「第5世代移動通信技術の展開に関連した電磁界への人口集団のばく露とそれに関する健康影響」についてのフランス国立食品環境労働衛生安全庁の2021年4月12日付提言を更新する提言] guideline

Opinion of the French Agency for Food, Environmental and Occupational Health & Safety on "Population exposure to electromagnetic fields associated with the deployment of 5G communication technology and the related health effects" updating the opinion of 12 April 2021

French Agency for Food, Environmental and Occupational Health & Safety (ANSES)
2022, ANSES Opinion, Request No 2019-SA-0006: 1-25

フランス国立食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は2022年2月17日付で、第5世代移動通信(5G)の潜在的健康影響についての専門家評価報告書の更新版を発表した。ANSESは2021年4月、この報告書の意見聴取用草案を発表し、これに対して同年6月までに200件を超えるコメントが寄せられた。今回の更新版は、これらのコメントを反映したものである。また、5G基地局の近くでの電波ばく露の測定結果についてのフランス国家周波数庁(ANFR)の最新データにも考慮している。
今回の改定版では、草案における以下の知見が改めて確認されたと述べられている。
・ 従来の第3(3G)および第4世代(4G)の技術で既に用いられている700 MHzおよび2.1 GHz、または3.5 GHzの周波数帯での5Gの展開については、全体的なばく露レベルは既存技術からのばく露と同等か、若干高い程度である。従来世代についての専門家評価の結果との比較から、5Gの展開が新たな健康リスクにつながることはなさそうである。
・ フランスでは今のところ5Gには用いられていない26 GHzの周波数帯については、より低い周波数とはばく露が異なる。但し、現在入手可能なデータは非常に少なく、健康影響があるかどうか確認できない。
基地局の数が増加し、5Gネットワークの利用が拡大していることから、特に人口集団のばく露における変化を監視することで、継続してデータを生成する必要がある。
・ より一般的には、特にばく露健康影響とのつながりについて、新たな知識を獲得することが必須である。実際、今回の専門家評価が根拠としている、電波についてのANSESの継続的な研究では、今日のデジタル機器の使用に関連した健康影響の証拠は今のところないことが示されているが、発がんや脳機能または生殖能力の阻害といった、その他の影響については研究を継続している。

ANSESは今回の更新版で、草案におけるこれらの知見に加えて、5Gがおそらく加速するであろうと思われるデジタル技術が、環境および社会に及ぼすインパクトをできるだけ早く特定することの重要性を強調している。
ANSESは、新たなデータの生成を促進するため、「環境衛生および労働衛生のための国家研究プログラム」の下で、電波についての12件の研究プロジェクトに資金提供している。これらのプロジェクトは主に、細胞レベルでの作用のメカニズム、電波の生理学的影響および健康影響、電磁過敏症およびばく露の特徴付け、についての新たな知識の獲得を目的としている。

ばく露

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