[2.856および9.375 GHzマイクロ波への長期ばく露後の認知機能、シナプス構造およびタンパク質発現における変化] med./bio.

Changes in cognitive function, synaptic structure and protein expression after long-term exposure to 2.856 and 9.375 GHz microwaves

掲載誌: Cell Commun Signal 2023; 21: 34

この研究は、2.856および9.375 GHzマイクロ波への長期ばく露後のラットの空間学習および記憶、ならびにシナプス構造の変化を調べ、海馬および血清エキソソームにおける差次的発現タンパク質を同定した。雄のWistarラット合計105匹を2.856および9.375 GHzマイクロ波(10 mW/cm^2、6分間/日、5日間/週、6週間)に全身ばく露した。その結果、空間参照学習および記憶能力、ならびに歯状回領域の構造が阻害された。また、SNARE関連タンパク質Snapinの減少、および海馬の荷電多胞体タンパク質3の増加が認められ、シナプス小胞のリサイクルが阻害されていることが示唆された。これはシナプス小胞の大幅な増加と一致する。更に、ばく露後の血清エキソソームの変化を調べたところ、カルシニューリンサブユニットBタイプ1およびシトクロムb-245重鎖の減少を生じ得ることが示された。これらのマイクロ波への長期ばく露は、程度の差はあれ、空間学習および記憶の障害、脳電図の擾乱、海馬の構造的損傷、ならびに海馬組織および血清エキソソームの差次的発現につながり得る、と著者らは結論付けている。

ばく露