[超低周波電磁界（ELF-EMF）は子宮筋層におけるエピジェネティックな調節に変化を生じる‐イン・ビトロ研究] med./bio.

この研究の著者らは先行研究で、超低周波（ELF）磁界はブタ子宮筋層に分子変化を生じることを報告し、ELF磁界が子宮筋層に遺伝子発現のエピジェネティックな調節を生じ得るという仮説を提唱している。この研究は、着床前後の期間のブタ子宮筋層のスライス（n = 4）を用いて、ELF磁界へのイン・ビトロばく露（50 Hz、8 mT、2時間）が、1) DNA（シトシン-5）-メチルトランスフェラーゼ1（DNMT1）およびDNA（シトシン-5）-メチルトランスフェラーゼ3a（DNMT3a）の発現、2) ゲノムDNAメチル化の振幅のレベル、3) 選択した遺伝子のプロモーター領域のメチル化および非メチル化バリアントのレベル、に影響を及ぼすかどうかを調べた。その結果、ELF磁界処理はDNMT1の増加、DNMT3aのmRNA転写およびタンパク質量の減少、ゲノムDNAメチル化のレベル上昇を生じた。発現が変化した遺伝子、即ちプロダイノルフィン（PDYN）、インターロイキン15（IL15）シグナルトランスデューサーおよび転写活性化因子5A（STAT5A）、腫瘍壊死因子（TNF）のプロモーター領域のメチル化および非メチル化バリアントの振幅のレベル、ならびに下方制御された遺伝子間における変化の方向は、初期成長反応2（EGR2）、ヒアルロン酸およびプロテオグリカンリンクタンパク質1、ウテロフェリン関連塩基性タンパク質-2（UABP2）で、主にその転写活性の変化の方向に関与していた。ELF磁界はエピジェネティックなメカニズムを乱し、これがELF磁界に関連するメチル化における転写の変化の根底にあるかもしれない、と著者らは結論付けている。