[胎児における1.5 Tと3 Tの磁気共鳴画像撮影の影響:出生後の神経発育結果に差はあるか? 左側先天性横隔膜ヘルニアの胎児集団における評価] epidem.

Effects of 1.5-T versus 3-T magnetic resonance imaging in fetuses: is there a difference in postnatal neurodevelopmental outcome? Evaluation in a fetal population with left-sided congenital diaphragmatic hernia

掲載誌: Pediatr Radiol 2023; 53 (6): 1085-1091

この研究は、1.5 Tと3 Tの出生前の磁気共鳴画像撮影(MRI)を受けた新生児における神経発達結果における差異を調べた。米国ペンシルベニア州では正常な胎児に対する研究目的での画像撮影は違法であることから、左側先天性横隔膜ヘルニア(CDH)の胎児の集団において実施した。1.5 Tまたは3 Tの胎児MRIを受けた左側CDHの胎児神経発達結果についての後ろ向きレビューを、2012年7月から2019年12月まで実施した。「新生児発育のベイリー尺度第3版(BSID-III)」を用いて神経発達結果を評価した。その結果、1.5 Tまたは3 Tの胎児MRIについて、評価年齢の中央値(18 [12, 25] vs 21 [11, 26]、P=0.79)、BSID-III認知平均値(91 ± 14 vs 90 ± 16、P=0.82)、言語(92 ± 20 vs 91 ± 20、P=0.91)、複合運動(89 ± 15 vs 87 ± 18、P=0.59)、サブ尺度のスコア(全てについてP > 0.50)、または神経筋検査の異常値(P=0.29)に統計的有意差は認められなかった。また、患者の分布(BSID-IIIのスコアが平均的、軽度の遅滞、重度の遅滞)は両群で同等であった(全てについてP > 0.50)。このCDH集団における複合スコアの全体的な分布は、1.5 Tまたは3 Tの胎児MRIとは独立に、一般の集団と同等であった。3 T MRIを受けた患者2例(8%)および1.5 T MRIの5例(7%)のスコアは、全てのBSID-IIIドメインについて重度の遅滞の範囲内であった。胎児肺容量の期待値に対する観察値(O/E FLV)が低い被験者、および出生後の体外式膜型人工肺(ECMO)が必要な被験者は、1.5 Tと3 TのどちらのMRIを受けたかに関わらず、認知、言語、運動、およびサブスケールのスコアが低かった(全てについてP < 0.03)。この予備的研究は、3 T MRIへの胎児ばく露は1.5 T MRIと比較して、左側CDHの胎児神経発育障害のリスクを高めないことを示唆している、と著者らは結論付けている。

ばく露