[携帯電話からの子どもの眼の内部での温度分布および比吸収率] tech./dosim.

この研究は、現実的な子どもの頭部モデルを用いて、第4世代移動通信（4G）周波数の携帯電話放射にばく露された際の眼内の比吸収率（SAR）および温度分布の数値解析を行った。SARおよび温度分布は、電波伝播方程式および生体熱方程式の数値解によって得た。この論文は、携帯電話からの電磁放射にばく露時の眼の様々な生体組織のSARおよび温度分布を示している。組織の電磁特性は周波数に依存するため、SARと温度の値は組織ごとに異なる。この研究の目的のために、子どもの頭部の現実的な3Dモデルを作成した。電磁エネルギーの最大吸収は子どもの頭部モデルの表面層で発生し、その値は最大許容限度を超えることが示された。これは、波源が頭部モデルに最も近い位置にある場合に当てはまる。温度上昇は、波源の携帯電話に最も近い生体組織および器官で観察された。携帯電話と子どもの頭部との間隔が離れると、温度は低下したが、その低下速度は SARよりも遅かった、と著者らは報告している。