[7T MRT における眼振、自己運動知覚、および認知能力に対する磁気前庭刺激の影響の測定] tech./dosim.

強磁界は三半規管内のクプラに作用するローレンツ力により、めまい、空間識失調、および眼振を生じる。この効果は磁気前庭刺激（MVS）と呼ばれる。この論文の著者らは、強磁界の眼振ならびに知覚および認識反応への影響の調査を可能にする7 T MRTスキャナー（MRIスキャナー）の実験セットアップを提示している。MVSの強度は、参加者の頭の位置を変更することで操作される。静磁界に対する参加者の三半規管の向きは、3D磁力計と定常状態画像での 3D干渉を併用することで評価した。このアプローチにより、MVSに対する参加者の反応における個人内および個人間の差異を検討することができる。将来的には、MVSは前庭障害における代償過程の研究などの臨床研究に役立つ可能性がある。更に、空間認識の観点から、前庭情報と認識プロセスの間の相互作用や、矛盾する感覚情報の下での自己運動知覚の出現についての洞察を促進する可能性がある。fMRI研究では、特に前庭情報の影響を受ける課題や、前庭患者と健康な対照群を比較する研究で、MVSが交絡効果を引き起こす可能性がある、と著者らは指摘している。