[非電離電磁界の細胞および分子影響] basics

Cellular and molecular effects of non-ionizing electromagnetic fields

掲載誌: Rev Environ Health 2023 [in press]

このレビュー論文の著者らは、非電離電磁界細胞および分子影響について、以下のように論じている。生細胞が静的/超低周波および高周波電磁界を含む非電離電磁界に応答する方法は、「細胞ストレス応答」のパターンに適合する。これは、個体全体を維持することを目的とした細胞レベルで現れるメカニズムである。これは、熱、電離放射線酸化などの環境ストレス要因に対する細胞および分子の応答の一連のパターンで、細胞高分子タンパク質脂質、DNA)の損傷によって生じ、細胞機能を修復して恒常性(ホメオスタシス)を回復することを目的としている。そのパターンは、遭遇するストレス要因の種類には依存しない。これには、細胞周期停止、修復のための特定の分子機構の誘導損傷の除去、細胞の増殖、ならびに、損傷が大きすぎる場合の細胞死が含まれる。この応答は電磁界によって生じる細胞内酸化プロセスの変化がトリガとなる可能性がある。 電磁界に対する生物学的反応は「細胞ストレス応答」であるという概念は、非線形の用量依存性および時間依存性、がん神経変性疾患リスクの増減、神経再生促進、骨治癒といった、観察されている電磁界の多くの影響を説明し得る。これらの応答は、ばく露の期間および強度、ならびにばく露される生体の特定の側面に応じて、健康に有害にも有益にもなり得る。そこから導かれる電磁過敏症症候群(EHS)への帰結は、視床下部-下垂体-副腎軸上のグルココルチコイドが関与する、電磁界に対する海馬辺縁系の不適切な反応である可能性がある、と著者らは主張している。

ばく露