[スウェーデン人およびフィンランド人の成人一般集団の各種の環境不耐症における症状に対する併発疾患のインパクト] epidem.

Impact of comorbidity on symptomatology in various types of environmental intolerance in a general Swedish and Finnish adult population

掲載誌: Environ Res 2023; 229: 115945

環境不耐症(EI)では、様々な健康状態との併存が一般的であるため、不耐症自体にどのような症状が関連しているのかについての理解に制約がある。この研究は、(i) 併存疾患に関係なく、化学的、建物関連、電磁界関連、および音響関連のEIにおける広範囲の特定の症状有病率、(ii) 排他的なEIにおける身体症状有病率、ならびに(iii) 機能性身体症候群、炎症疾患、または精神障害を参照できない排他的EIにおける身体系の症状リスクの増加、を調べた。ヴェステルボッテン(スウェーデン)およびエスターボッテン(フィンランド)の環境健康調査の二つの人口集団ベースの調査を組み合わせたものから横断データ(n = 4941)を取得した。EI症例および対照の分類は自己申告に基づいて行われた。症状は「環境過敏症症状目録」で評価し、身体系の8章に分かれた「国際プライマリケア分類第2版」の27の症状に変換した。その結果、幾つかの例外を除いて、評価した全ての特定の症状が、四つのEI群全てで対照群よりも有意に蔓延していることが示された。EI群間には大きな重複があるが、特徴的な身体系の症状は、化学物質および建物関連EIでは眼および呼吸症状電磁界関連EIでは皮膚症状、音響関連EIでは一般的および不特定の消化器、眼、心血管神経、精神症状であった。様々な併存疾患を調整後、調査された全ての身体系の症状は、化学物質EIと正の関連があり、音響関連EIとの関連は少なく、建物関連EIとの関連は一つだけで、電磁界関連EI との関連は認められなかった。四つのEI全てで広範囲の症状が報告されており、共通のメカニズムが暗示されるが、特定のEIでは特定の身体系の症状がより多く報告される傾向があり、これは併存疾患によって説明できない、と著者らは結論付けている。

ばく露