[2.4 GHzマイクロ波電界によるヒト幹細胞由来心筋細胞におけるβ-アドレナリン受容体活性化Ca2+シグナル伝達とアポトーシスの非熱的破壊] med./bio.

Non-thermal disruption of β-adrenergic receptor-activated Ca2+ signalling and apoptosis in human ES-derived cardiomyocytes by microwave electric fields at 2.4 GHz

掲載誌: Biochem Biophys Res Commun 2023; 661: 89-98

電子機器のワイヤレス接続が普及したことにより、電磁界ばく露の中でマイクロ波が最も急速に増加している形態の一つとして浮上している。熱(加熱)作用を制限するように設計された現行の安全レベルでは、ワイヤレス技術がヒトの健康に危険を及ぼさない、という主張に反論する証拠が増えてきている。特に、電気的に興奮しやすい組織心臓など)におけるマイクロ波ばく露非熱的影響の潜在的な影響については、依然として議論の余地がある。 この研究は、ベースラインおよびベータアドレナリン受容体(β-AR)刺激条件下で、ヒト胚性幹細胞由来心筋細胞(CM)を、ワイヤレス通信(4G、Bluetoothおよび Wi-Fi)に広く用いられている2.4 GHzのマイクロ波ばく露した。サンプルの加熱の影響を制御するため、直接加熱速度と一致させたCM、または37°Cに維持したCMで実験を実施した。その結果、これらの実験条件下でのCMにおけるCa2+シグナル伝達の時間的および振幅の特徴の詳細なプロファイリングは、アポトーシスの範囲および空間的クラスター化と一致した。データから、CMを2.4 GHzにばく露すると、β-AR刺激に対する正常なCa2+シグナル伝達応答が排除され、空間的にクラスター化されたアポトーシスが引き起こされることが示された。これは、2.4 GHzマイクロ波非熱的影響がヒトのCM機能、活性化に対する反応性、および生存に重大な影響を与える可能性があることを示している、と著者らは結論付けている。

ばく露