[フランスにおける疫学研究のための電力周波数磁界への居住環境ばく露の計算値ならびに測定値との比較] tech./dosim.

Calculated residential exposure to power frequency magnetic fields for an epidemiological study in France and comparison to measurements

掲載誌: J Radiol Prot 2023; 43 (2): 021507

フランスでは、さまざまな環境要因と小児がんとの関連についてのGEOCAP疫学研究が現在行われている。研究対象の作用因子の一つは、超低周波(ELF)磁界へのばく露に関連する高圧架空送電線(63-400 kV)への近接度である。この研究には、フランス本土全域を対象とし、2002-2010年に募集された白血病症例4174人、および対照45000人が含まれる。そこでのばく露がバックグラウンドの参照レベルである0.1 μTを超える可能性がある、送電線までの距離が十分に近い被験者1124人について、居住環境ばく露を計算した。居住環境ばく露は、被験者の居住地に近い、影響を及ぼすスパン全てをモデル化することで計算した。最終的に、1124人のうち371人の被験者ばく露計算値が0.1 μTを超え、123人(研究対象の人口の0.25%)が0.4 μTを超えていた。ばく露計算値が0.1 μTを超えるこれら371人を、送電線が通る居住地域で実施されたELF磁界測定の既存のデータベースに照合し、206人についての測定データが見つかり、そのうち156人のデータを比較できた。計算条件に合わせて測定値を外挿したところ、124人(80%)の被験者については、計算値と調整した測定値との差が30%未満で、過少評価または過大評価の明確な傾向は認められなかった、と著者らは報告している。

ばく露