[実生活の電話使用の指標と認知課題遂行能力、健康関連の生活の質および睡眠との関連] epidem.

The association between real-life markers of phone use and cognitive performance, health-related quality of life and sleep

掲載誌: Environ Res 2023; 231 Pt 1: 116011

この「非電離放射線認知の研究のための今後の技術に関する研究パネル(SPUTNIC研究)」 は、携帯電話放射とヒトの健康 (認知健康関連の生活の質、睡眠等) との間にあるかもしれない相関を調査することを目的としている。成人の参加者について、日々の高周波RF電磁界ばく露の各種指標(コードレス通話での通話、携帯電話での通話、および各評価の4時間前のモバイル画面閲覧時間)ならびに10日間の研究期間にわたる3つの健康に関するアウトカム、即ち1) 認知遂行能力、2) 健康関連の生活の質(HRQoL)、3) 睡眠時間および睡眠の質、を追跡した。認知遂行能力は、言語および視覚空間遂行能力を繰り返し評価する6つの「ゲームのような」テストを通じて測定した。HRQoLは、リッカートスケール(1-10)を用いて疲労、気分、ストレスとして評価した。睡眠時間および睡眠効率はアクティビティトラッカーを用いて測定した。認知、HRQoL、睡眠スコアに関する参加者ごとの無作為インターセプトを用いた混合モデルをフィットさせた。時間とともに変化する可能性のある交絡因子は、アンケートによって毎日のインターバルで評価し、モデルの調整に用いた。その結果、最終的に合計121人の参加者がSPUTNIC研究に参加した(フランスのブザンソンから63人、スイスのバーゼルから58人)。自己申告によるワイヤレス電話の使用および画面閲覧時間は、視覚空間的および言語的認知能力と散発的に関連しており、これは偶然の知見と一致する。携帯電話の画面閲覧時間が10分間増加すると、ストレスが0.03(0.00-0.06、1-10のリッカートスケールによる)増加することが示された。睡眠時間および睡眠の質は、コードレス電話携帯電話での通話、あるいは画面閲覧時間とは関連していなかった。この研究では、短期的なRF電磁界ばく露の指標と認知遂行能力、HRQoL、または睡眠時間および睡眠の質との関連は認められなかった。最も一貫した結果は、画面閲覧時間の増加に関連したストレスの増加であったが、コードレスまたは携帯電話の通話時間との関連は認められなかった、と著者らは結論付けている。

ばく露