この総説の著者は、米国連邦通信委員会(FCC)の通達および規則(notices and rules)、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドライン、および電気電子学会(IEEE)の国際電磁安全性委員会(ICES)の規格をレビューし、以下のように論じている。最近改定された高周波(RF)ばく露の制限値は、RF放射による加熱に対してのみ調整されている。これらの制限値は主に、組織温度を上昇させるRF放射による短期間の加熱を制限することを目的としている。これらは範囲が狭く、低レベルでの長期ばく露には適用されない。また著者は、当該規格の基礎をなす仮定、および用いられている古いばく露指標について議論し、改定版ガイドラインは子ども、労働者、一般公衆、電磁界に敏感な人々を、ワイヤレスデバイスやシステムが発するRF放射から適切に防護していない、と結論付けている。更に、当該規格では考慮されていないと思われる重要な動物データについても議論している。また、第5世代移動通信(5G)からのミリ波放射については、公開されている文献の中にヒトの健康への影響に関する適切な研究はなく、これらの規格とは異なる、国際がん研究機関(IARC)などの科学機関による結論についても論じている。この著者は、推奨されている制限値の多くには議論の余地があり、安全性と公衆衛生防護の観点から、より科学的な正当化が必要である、と結論付けている。
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