[産業用屋内環境における併置型および分散型Massive MIMO展開に対するヒトの電磁界ばく露の数値評価] tech./dosim.

Numerical Assessment of Human EMF Exposure to Collocated and Distributed Massive MIMO Deployments in an Industrial Indoor Environment

掲載誌: IEEE Trans Electromagn Compat 2023; 65 (4): 960-971

この論文の著者らは、ダウンリンク電磁界へのヒトのばく露の観点から、産業用屋内環境における3.5 GHzでの併置型および分散型Massive MIMO展開の比較数値研究を紹介している。確率論的幾何構造を有する要素を組み込んだ一連の環境モデルを生成し、電磁波伝播をレイトレーシング(RT)法を用いて計算した。ヒトのばく露を評価するため、有限差分時間領域(FDTD)法を用いて、現実的なヒトファントムとユーザー機器モデルを含め、RTの結果に基づいて励起を導入した。単一ユーザーの最大比送信およびマルチユーザーのゼロフォーシングのシナリオを調べた。ファントムの頭部付近の小規模な電磁界分布をFDTDで評価し、環境中の異なるユーザーの位置とユーザー機器の頭部に対する配置に対して分析した。Massive MIMOのホットスポットは、そのサイズ、瞬時および時間平均電磁界増幅度、ならびに頭部およびユーザー機器に対する位置に基づいて特徴付けた。ヒトのばく露は、ホットスポット電磁界振幅を参照した10 g平均のピーク空間特異吸収率(SAR)を用いて評価し、国際ガイドラインと比較した。その結果、分散型展開では併置型展開と比較して、より正確で一貫した電磁界ホットスポットがユーザー機器周辺に形成され、電界平均利得がより高かった。更に、分散型では併置型と比較して、よりコンパクトなホットスポットが生成され、マルチユーザーシナリオでは平均ばく露低減率が10倍超となる、と著者らは報告している。

ばく露