[超低周波電磁界ばく露はブタの子宮内膜におけるDNAメチル化レベルを着床前期に変化させる] med./bio.

この研究は、短期間の超低周波（ELF）電磁界処理が子宮内膜の遺伝子のDNAメチル化レベルを変化させるかどうかを調べた。ブタの子宮内膜切片（100±5 mg）を着床前期（妊娠15-16日目）に収集し、イン・ビトロで 50 HzのELF電磁界に2時間ばく露した。EGR2、HSD17B2、ID2、IL1RAP、MRAP2、NOS3、PTGER4、SERPINE1、VDR、およびZFP57のプロモーター領域におけるDNAメチル化のレベルを、qMS-PCR を用いて調べた。その結果、ELFばく露群の子宮内膜では、HSD17B2、MRAP2、SERPINE1、VDRおよびZFP57のメチル化レベルは変化しなかったが、EGR2、ID2、PTGER4のメチル化レベルが増加し、IL1RAPとNOS3のメチル化レベルが減少した。ELF電磁界によって誘発されるDNAメチル化の変化は、子宮内膜のトランスクリプトームプロファイルに影響を与え、着床と胚の発育に伴う生理学的プロセスを妨害する可能性がある、と著者らは結論付けている。