[ヒトおよびマウスの腸内微生物叢に対する超強力な静磁界の影響] med./bio.

この研究は、腸内細菌叢に対する超強力な静磁界の影響を調べるため、16 Tの静磁界を用いて、この環境におけるヒトおよびマウスの腸内細菌叢の構造と組成の変化を調べた。マウスの腸内細菌叢では、磁界は属レベルでは、大腸菌株の赤痢菌、乳酸桿菌、腸球菌、バークホルデリア‐カバレロニア‐パラブルクホルデリア、パラステラ、ラルストニアの相対存在量を有意に減少させ、パラバクテロイデス、アロプレボテラ、アリスティペス、オドリバクター、バクテロイド、ムシスピリラム、ステレラ、プレボテラ科_UCG-001の相対存在数を大幅に増加させた。同様に、属レベルでは、ヒトの腸内細菌叢におけるバクテロイド、パラバクロイド、ロンブーシア、およびレンサ球菌の相対存在量を大幅に減少させた。マウスの腸内の存在量の変化傾向とは対照的に、ヒトの腸内のバクテロイドおよびパラバクテロイドの存在量は磁界下で大幅に減少した。BugBaseの表現型予測分析では、嫌気性、可動性要素、潜在的な病原性、ストレス耐性、バイオフィルム形成を含む5つの表現型の相対存在量がマウスの腸内細菌叢で大きく変化する一方、グラム微生物叢を含む2つの表現型の相対存在量が大きく変化することが示された。陽性およびグラム陰性の表現型は、ヒトの腸内細菌叢で大きく変化した。16 T磁界は、ヒトとマウスの腸内細菌叢の組成、構造、表現型に異なる影響を与える可能性があり、磁界の生物学的影響を研究する際のモデル選択の重要性を示唆している、と著者らは結論付けている。