この研究は、ラットにおける1.5 GHzおよび4.3 GHzのマイクロ波ばく露に敏感な生物学的標的を調べた。雄のWistarラット合計120匹を4群(擬似ばく露群(S群)、1.5 GHzばく露群(L群)、4.3 GHzばく露群(C群)、1.5 GHzおよび4.3 GHz同時ばく露群(LC群))に無作為に割り付けた。空間学習および記憶、皮質の電気活動、ならびに海馬の超微細構造を、それぞれモリス水迷路、脳電図、透過電子顕微鏡で評価した。更に、血清エクソソームを超遠心分離によって分離し、ウェスタンブロット、ナノ粒子追跡および透過電子顕微鏡で評価した。血清エクソソームタンパク質の内容を、ラベルフリー定量プロテオミクスで評価した。その結果、ばく露群、特にL群およびLC群では、空間学習および記憶の障害、皮質興奮性の低下、ならびに海馬の超微細構造の損傷が認められた。L群、C群、LC群ではS群(擬似ばく露群)と比較して、それぞれ合計54、145、296個のエクソソームタンパク質の発現が異なっていた。これらのタンパク質は、シナプス小胞サイクルおよび小胞輸送中のSNARE相互作用に関与していた。更に、VAMP8、Syn7、VMATは、同時ばく露の潜在的な血清マーカーである可能性がある。1.5 GHzおよび4.3 GHzのマイクロ波ばく露は空間学習と記憶の障害を誘発し、マイクロ波同時ばく露は最も重篤な影響を生じた、と著者らは報告している。
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