[1.5 GHzおよび4.3 GHzのマイクロ波への同時ばく露後のラットの空間学習および記憶ならびに血清エクソソームタンパク質の変化] med./bio.

Changes in rat spatial learning and memory as well as serum exosome proteins after simultaneous exposure to 1.5 GHz and 4.3 GHz microwaves

掲載誌: Ecotoxicol Environ Saf 2022; 243: 113983

この研究は、ラットにおける1.5 GHzおよび4.3 GHzのマイクロ波ばく露に敏感な生物学的標的を調べた。雄のWistarラット合計120匹を4群(擬似ばく露群(S群)、1.5 GHzばく露群(L群)、4.3 GHzばく露群(C群)、1.5 GHzおよび4.3 GHz同時ばく露群(LC群))に無作為に割り付けた。空間学習および記憶皮質の電気活動、ならびに海馬超微細構造を、それぞれモリス水迷路脳電図、透過電子顕微鏡で評価した。更に、血清エクソソームを超遠心分離によって分離し、ウェスタンブロット、ナノ粒子追跡および透過電子顕微鏡で評価した。血清エクソソームタンパク質の内容を、ラベルフリー定量プロテオミクスで評価した。その結果、ばく露群、特にL群およびLC群では、空間学習および記憶の障害、皮質興奮性の低下、ならびに海馬超微細構造損傷が認められた。L群、C群、LC群ではS群(擬似ばく露群)と比較して、それぞれ合計54、145、296個のエクソソームタンパク質発現が異なっていた。これらのタンパク質は、シナプス小胞サイクルおよび小胞輸送中のSNARE相互作用に関与していた。更に、VAMP8、Syn7、VMATは、同時ばく露の潜在的な血清マーカーである可能性がある。1.5 GHzおよび4.3 GHzのマイクロ波ばく露は空間学習記憶の障害を誘発し、マイクロ波同時ばく露は最も重篤な影響を生じた、と著者らは報告している。

ばく露