この研究は、直流送電線から生じる静電界（SEF）がBリンパ球の増殖レベルに及ぼす影響とそのメカニズムを調べた。雄マウスをSEFにばく露し、ばく露の7日後および14日後に、マウスの脾臓内のBリンパ球の増殖レベルを測定した。シグナル伝達経路の観点から影響のメカニズムを明らかにするため、リンパ球をSEFにばく露し、ばく露の24、48、または72時間後に、Bリンパ球の増殖レベル、主要なタンパク質の発現レベル、細胞周期を測定した。その結果、SEFばく露がERK1/2経路を刺激してNF-κB経路を活性化し、Bリンパ球をG0/G1段階からS段階に進行させることが認められた。同時に、SEFばく露はBリンパ球をG2段階に進行させた。つまり、SEFばく露はBリンパ球の増殖を著しく促進した、と著者らは報告している。
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