[ハバナ症候群における神経心理学的混乱の調節経路モデル] tech./dosim.

A regulatory pathway model of neuropsychological disruption in Havana syndrome

掲載誌: Front Psychiatry 2023; 14: 1180929

2016年にハバナ、キューバで勤務していた米国の外交官らが、脳損傷に一致する複雑で持続する神経症状とともに可聴感覚現象を報告し始めた。これらの異常健康事象(AHI)とそれに続く症状の病因は未だ不明である。この報告は、公開文献にあるデータを用いて、これらの被験者の機能喪失を説明し得る生物行動的経路の公開ネットワークモデルを作成し、そのような経路の調節異常を評価することで、仮説的なばく露症状病理を調べた。軽度外傷性脳損傷(mTBI)との類似性を考慮して、ハバナ症候群で観察された神経心理学的プロファイルが、少なくとも部分的には神経伝達物質の調節異常神経炎症、またはその両方によって説明されるかどうかを評価するため、後者を臨床的に関連する手段として用いた。9,000以上の出版物の自動テキストマイニングによって、Brief Mood Survey、PTSD Checklist、Frontal Systems Behavior Scaleからの9つの神経心理学的構成要素と29の神経化学マーカーを結びつける273の文書化された調節相互作用からなるネットワークを作成した。このネットワークを通じた情報の流れの分析により、N = 6の被験者における既知の機構的経路と神経心理学的プロファイルを6%以内のズレで調和させる一連の調節ルールを生成した。その結果、文書化された経路と観察された症状プロファイルの両方を満たす神経化学マーカーの予測表現は、脳由来神経栄養因子BDNF)、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、インスリン様成長因子I(IGF1)、グルタミン酸の表現が低い状態で、特徴的にインターロイキンIL)-1B、IL-10、神経成長因子NGF)、ノルエピネフリンのレベルが上昇していた(偽発見率 < 5%)。副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)およびIL-6の上昇も、全ての被験者で一致して予測された。更に、神経学的調節動態のシミュレーションにより、被験者持続的な病気に「固定されている」わけではなく、むしろ遅い回復軌道にあることが示されされた。ハバナに拠点を置く外交官に認められた神経心理学症状についてのこの計算分析は、これらのAHI症状が、mTBIとも関連する既知の神経免疫および神経伝達規制メカニズムの乱れによって部分的に支持される可能性がある、と著者らは結論付けている。

ばく露