研究のタイプ: リスクコミュニケーション/リスク認知の研究

[社会科学的問題における意思決定の正当化:推論と知識の役割] risk

Justifying decision making in socio-scientific issues: the roles of reasoning and knowledge

掲載誌: Int J Sci Educ B Commun Public Engagem 2025; 15 (1): 21-41

この研究は、学齢の子どもを持つ親が学校でのWi-Fi放射の問題をどのように認識しているかを、Wi-Fiを社会科学的な問題として取り扱う科学リテラシーの枠組みを用いて調べた。親は情報の質がまちまちである情報過多の混沌とした認識空間で、情報を元にした意思決定を行うことが期待されている。この複合研究は、親とのインタビュー(第I部、n = 35)とアンケート(第II部、n = 513)で構成され、学校のWi-Fiに関する質問に対する親の態度、意思決定、および正当化を探ることを目的とした。インタビューでは、意思決定に用いられる発見法やショートカットが示された。詳細な調査や科学的知識はしばしば考慮されなかった。アンケートでは更に、インタビューで特定されたパターンとそれらが社会的背景や科学的バックグラウンドとどのように関連しているかを検討した。その結果、科学的な論理性や関連する知識が、親による意思決定や正当化と必ずしも関連していなかったことが示された。これは、情報を元にした市民の科学リテラシーを促進する教育プログラムに興味を持つ未来の教育プログラムにとって重要な情報である、と著者らは結論付けている。

ばく露