[磁界によって生体組織に誘導される電界の算定] med./bio.

Prediction of magnetically induced electric fields in biological tissue

掲載誌: IEEE Trans Biomed Eng 1991; 38 (5): 418-422

<目的> 急峻な時間変化をする磁界により生体組織(脳組織)に誘導される電界強度を解析するための高速,高精度で効率の良い方法を示す. <方法> 2つの解析方法を用いた.1つは,電流ベクトルポテンシャル法(A法)である.磁界源が環状電流である場合,磁界計算はビオサバールの方法ではなく,楕円積分法を用いる.他の1つは磁界源の磁気ベクトルポテンシャルとラプラス方程式を組合わせる方法(T-φ法)である.第1の方法は2次元,第2の方法は2および3次元解析に適する.解析は直径2.54cmの環状コイルと,1S/mの導電率の組織(1辺が10.16cmの直方体)が1cmの最短距離に配置されたものを対象にした. <結果および結論> A法およびTーφ法により均一な組織に対して計算が行われ,両者の計算値の差は平均で5%異なっていることが分かった.不均一組織に対する3次元解析では有限要素法よりもT-φ法が優れていると考えられる.