[IEEE規格C95.1-2019のばく露制限値(100 kHz-110 MHz)に準拠するための誘導電流と接触電流を評価するための代替アプローチ] tech./dosim.

An Alternative Approach for Evaluating Induced and Contact Currents for Compliance with Their Exposure Limits (100 kHz to 110 MHz) in IEEE Std C95.1-2019

掲載誌: Health Phys 2025; 128 (2): 156-166

IEEEは、その標準規格であるIEEE C95.1-2019において、電界(0 Hz-300 GHz)ならびに誘導電流および接触電流(<110 MHz)のばく露参考レベル(ERL)を規定している。同規格で扱う「古典的な」シナリオには、自立した接地された参考人物(誘導電流について)、または隣接する接地導体と手で接触している接地されていない参考人物(接触電流について)が含まれ、それぞれが電流を駆動する垂直方向の電界ばく露される。100 kHz-110 MHzの電流に対するERLは、指(接触電流)、足首誘導電流)、手首(掴み接触による接触電流)の加熱を制限するために設定され、6分間平均比吸収率SAR、W/kg)をドシメトリ参考制限値(DRL)として規定している。全身に対するERLは 30分間の平均値である。DRLは、デフォルトの「有効」局所断面積(9.5 cm^2)を想定し、複合組織導電率が約0.5 S/mであることと一致するように設定されている。以前の刊行物では、電界のERLと誘導電流接触電流まで拡張)のERLとの不一致について説明し、100 kHz-30 MHzの傾斜電界ERLも提案していた。この論文の著者らは、100 kHz-110 MHzの周波数範囲について、足首と手首の温度上昇(ΔT)を誘導電流および接触電流に関連する推奨される影響指標として提案し、これらの電流制限の代替として電界のERLを適用している。ΔTの分析は、足首と手首の断面のリアルな解剖学的描写における組織混合、オンラインで公開されている関連組織特性、公開されている組織灌流データ、および米国軍の成人男性と女性の大規模なサンプルに関する人体測定データに基づいており、さまざまな体格にわたる影響を推定できる。ΔT対周波数および時間を評価するため、動脈血からの対流冷却を唯一の冷却メカニズムとして、ペンネの生体熱方程式を採用した。潜在的に有害な(痛みを伴う)反応を反映するΔT = 5℃までの時間の計算では、足首への影響については最悪の場合数分のオーダーであるのに対し、手首では数十秒のオーダーという結果になった。従って、全身平均30分間として評価される電界ERLへの準拠は、それぞれ誘導電流および接触電流による足首と手首への潜在的な有害な影響の時間経過とは矛盾している。関連するばく露ドシメトリシナリオの更なる分析と、多分野の観点からの利害関係者のコンセンサスにより、適合性の観点から実用的ですべての人を保護する改訂された基準の開発が可能になる、と著者らは結論付けている。

ばく露