[若年成人における携帯電話使用と聴覚機能との関連の分析] epidem.

この研究は、携帯電話からの高周波（RF）電磁放射へのばく露が、若年成人などの脆弱な集団の聴力に及ぼす長期、中期、および／または短期的な関連性を調べた。インフォームド・コンセントを得た後、若年成人（17-24歳）78人を募集した。まず、検証済みの質問票を用いて、参加者における携帯電話の使用状況を把握した。その後、基準に従って、長期使用者、中期使用者、および短期使用者としてグループ分けし、純音聴力検査によって聴力を検査した。その結果、参加者78人のうち、40人 (51.28%) が男性で、38人 (48.71%) が女性であった。64人 (82.05%) が、利き耳は右耳であると回答し、残りの14人 (17.95%) は左耳であった。45人 (57.69%) が4G携帯電話を使用し、32人 (41.02%) が5Gを使用し、1人 (1.28%) が2G携帯電話を使用していた。45人 (57.69%) が主にテキストメッセージの送信に携帯電話を使用し、33人 (42.30%) が通話に使用していた。54人 (69.23%) が通話の発信／受信時に携帯電話を耳にしっかりと当てていたが、24人 (30.76%) は当てていなかった。59人 (75.64%) は不快感を覚えなかったが、11人 (14.10%) が頭痛、1人 (1.28%) が吐き気、7人 (8.97%) が通話中に耳鳴りを経験した。聴力検査では、3グループすべての参加者において、250 Hz、500 Hz、および1000 Hzの周波数で軽度から中程度の難聴が認められた。難聴は、携帯電話を5年間継続して1日30分以上使用した個人において、携帯電話を4年間1日30分使用した個人、および／または3年間未満1日30分使用した個人と比較して顕著であった。このパターンは、右耳と左耳の両方で同様であった。利き耳は、参加者の難聴に影響を与える上で有意な役割を果たさなかった。しかし、4G携帯電話使用者は、5G携帯電話使用者に比べて、250 Hzおよび500 Hzで有意な難聴が認められたが、特に左耳において1000-8000 Hzの周波数では認められなかった。さらに、参加者の1日あたりの平均通話時間に関係なく、他の周波数と比較して、左耳と右耳の両方で250-1000 Hzの周波数で難聴が認められた。長期的な携帯電話の使用は、250 Hz、500 Hz、および1000 Hzの周波数において、軽度から中程度の難聴を引き起こした。利き耳は、参加者の難聴に影響を与える上で有意な役割を果たさなかった。しかし、4G携帯電話使用者は、5G携帯電話使用者に比べて、250 Hzおよび500 Hzで有意な難聴が認められたが、他の周波数では認められなかった、と著者らは報告している。