[携帯電話を表すダイポールアンテナ輻射による頭部中の高解像SAR分布計算] tech./dosim.

Computation of high-resolution SAR distributions in a head due to a radiating dipole antenna representing a hand-held mobile phone

掲載誌: Phys Med Biol 2002; 47 (10): 1827-1835

携帯電話の垂直ダイポールアンテナ(周波数915MHz)からの輻射として健康成人女性頭部のSAR分布を、2mm、1mm、そして0.4mmの3つの解像度で計算した。0.4mmの高解像度は準静的ズーム技術で得た。有効な0.25Wの送信電力において、立方および任意形状の両方における最大平均SAR値はそれぞれ、組織1g当たり約1.72 W kg-1 および2.55 W kg-1、また10g当たりでは0.98 W kg-1 そして 1.73 W kg-1であり、解像度の違いで数値に大きな違いは無かった(<8%)。これは2mm解像度でのSAR計算が、規模を大きくした場合の分布を十分正確にあらわしていることを示している。一方、頭部の詳細なSARパターンを考えると、低解像よりも高解像で計算が行われれば、大きな違いが現れてくるかもしれない。これらの違いは、モデリングの精度の増強、高分解能シミュレーションでの解剖学的な記載を改善するなどの両方が原因となって起こる。例えば、誘電性のコントラストが高い組織の境界でのSARプロファイルは、高解像でより正確に表現される。そのうえ、誘電的に低解像の形状では、解剖学的な詳細さが失われ、SAR分布に大きな影響を与える。したがって、高解像SARのモデリングは、不均一性の大きな領域には、絶対的に必要不可欠である。

ばく露