研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[VDTの使用と自然流産のリスク] epidem.

Video display terminals and the risk of spontaneous abortion

掲載誌: N Engl J Med 1991; 324 (11): 727-733

<目的>VDT使用と自然流産の研究結果には一貫性がない.この研究では交絡因子を避けるため,同じ仕事をしている2群の暴露評価を本人の申告によらず,会社の勤務記録と電磁界の測定のみに基づいて比較することを目的としている. <方法>1983年1月から1986年8月までフルタイムで勤務した18-33才の既婚の女性交換手2430人に25分間電話でインタビューした.このうち妊娠した882人について,VDTを使用しない一般交換手516人(自然流産82,死産4),VDTを使用する番号案内366人(自然流産54死産5)の勤務記録インタビュー,医師の記録等に基づき,VDT使用時間と妊娠流産との関連を調査した.交絡因子としては,流産の経験,アルコール,喫煙,甲状腺障害,妊娠初期のVDT使用,その他の時期のVDT使用とが調べられた.また,8ヶ所 x 6台のVDT の電磁界測定を行った. <結果> 自然流産とVDT使用との関連は認められなかった.妊娠初期のVDT使用群の自然流産オッズ比は0.93(0.63-1.38)であり,週当りのVDT使用時間とオッズ比との関連も認められなかった.交絡因子の影響は認められなかった.

ばく露

研究助成

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