目的

背景

電磁界(EMF)は、世間一般では電磁スモッグあるいは電磁汚染として知られているように、私たちの高度技術環境の至るところで存在していますが、多くの市民に不確かさを感じさせています。過去15年にわたって、公衆および意思決定者達はいつも、例えば、携帯電話の使用の急速な増加、新たな周波数利用の拡大(TETRAおよびLTEなど)、または将来に空港で用いられると思われるボディスキャナのようなテラヘルツ領域の周波数の応用など、EMFを利用した新しい技術に直面させられてきました。全体として、電磁界のさまざまな発生源から環境への放出(emission)および侵入(immission)が継続的に増加し続けています。留意すべきことは、新しい技術の導入時には、そこで用いられる周波数範囲の健康リスクに関する研究はほんの少ししかない場合が多く、潜在的な影響の評価は困難であるということです。

しかしながら、携帯電話に対するテーマなど、健康影響に関する数多くの研究がなされてきましたが、さまざまな関心を抱く集団がさまざまなレベルの知識を持つことはしばしば見られることです。その上、研究の著者達は往々にしてさまざまな結果を見いだし、彼らはその結果を様々な方法で解釈するため賛否の分かれる議論に至り、結果として、公衆は不確かさを感じることになります。

科学的研究データの、概ね完全な収集、提示、そして評価をすることは、そのような議論の客観化および中立的な情報提供に多いに貢献します。重要なことは、全ての研究とその結果がありのままに手に入るようにすることであり、そうすることで利用者は研究の内容と結果を理解しやすくなります。
このようなアプローチを、インターネットプラットフォームであるEMFポータルは採用し、2005年から、電磁界の影響に関する科学的な情報を提供してきました。ここでは、いわゆる査読付きの学術誌に掲載された科学研究の収集と要約がなされされ、利用者は無料でドイツ語と英語で、また大部分は日本語でも利用できます。

科学的出版物

上記にしたがって、EMFポータルの科学的文献は、電磁界の影響に関する出版物からなります。出版物は、科学者(生物学者、物理学者、工学者、疫学研究者、医師など)によって書かれ、出版者および/または編集委員会(査読プロセスをもつ編集者/編集委員会)を持つ科学的な学術誌に公表されたものであることが必要です。出版物の科学性の本質的な特徴は、例えば、用られた方法および材料の詳細な記述による研究結果の検証です。

編集原則

EMFポータルが行うべき仕事は、電磁界の影響に関する科学的な情報を収集し、そのデータを理解し易い形で提示し、関係者全員が入手できるようにすることです。

EMFポータルは、電磁界に賛成または反対のどちらの立場にも立ちません。電磁界の利用の防止や縮小、または通信への利用の促進でさえ、EMFポータルの意図するところではありません。

EMFポータルは、社会において、客観的な、責任をもった、十分な情報に基づく意見が形成されることに貢献することを目的としています。EMFポータルは、独立した編集スタッフによって提供されています(インプリントおよびチームをご参照下さい)。プロジェクト管理は、コンテンツの選択および提示に対して責任を負いますが、主として科学的な出版物が考慮されます。