[メラトニン仮説:電力と乳がん] basics

The melatonin hypothesis: electric power and breast cancer.

掲載誌: Environ Health Perspect 1996; 104: 135-140

乳がんは、現代社会の疾病である。社会が工業化すると共に、リスクが増大し、しかも工業化に伴う多種多様な変化のどれがこの疾病を促進しているかは不明である。現代社会の1つの重要な特徴に電力の広範な使用である。電力は夜間照明(LAN)や電気磁界EMF)を産みだし、これらのどれかまたはどれも、松果体機能およびその主要ホルモンであるメラトニンを変化させる可能性があり、それがおそらく乳がんリスクを増大させている。10年前に提示されたこの仮説は、現在多くの実験的および疫学的な注目を集めている。この仮説に付随する状況には、光がメラトニンに及ぶす影響、EMFのメラトニンへの影響、メラトニン乳がんに及ぼす影響の3つの側面がある。最大のものは光のメラトニンへの影響である。ヒトの体内で夜間に上昇する正常なメラトニンは十分な強度の光で抑制される。実験動物ではメラトニン乳がんに及ぼす影響の証拠は強いが、ヒトでの証拠はわずかであり、収集が難しい。一番弱い付随状況は、EMFのメラトニンへの影響である。6つの研究所が動物での抑制の知見を発表してきたが、一致しておらず、ヒトに関するデータは発表されていない。仮説に直接影響する証拠は希だが関心を引いている。2つの研究所から、ラット化学的に誘発した乳がんで、弱交流磁界による実質的な増加を示すデータを発表された。疫学的な証拠は非常に限られるが、いくつかの裏付けも得られている。電力乳がんに及ぼす影響には深い意味がある可能性があり、この可能性を継続研究する値がある。

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