研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[松果体の形態学的特性に対する超低周波電磁界の影響の修飾因子としての光周期性] med./bio.

Photoperiodism as a modifier of effect of extremely low-frequency electromagnetic field on morphological properties of pineal gland.

掲載誌: Bosn J Basic Med Sci 2006; 6 (3): 10-16

この研究は、低周波電磁界LF-EMF:50 Hz)への慢性(3か月間)ばく露ラット松果体形態学的特性に与える影響に光周期(日の長さ)が関与するか否かを組織学的方法および立体学的方法を用いて調べた。実験は、48匹のMill Hill雄ラットばく露群24匹、対照群24匹)を用いた。ばく露群のラットには、LF-EMF(50 Hz、50-500 μT、10V / m)へのばく露を出生時に開始し、1日7時間、週5日で、3か月間継続した。冬(日が短い、夜が長い)に、松果体活動および神経内分泌感受性が高まるため、この実験は、夏と冬の両方に、同じプロトコルに従って行われた。ばく露終了後に動物から摘出した松果体のサンプルをHE染色処理し、立体学的方法で分析した。その結果、冬期の実験において、ばく露群での最も大きな変化は、腺の特徴変化、充血、淡いピンク色の松果体細胞の減少、細胞質欠乏および不規則で棒状の核であった;冬期の実験の対照群では、松果体細胞肥大が見られ、それらは空胞化した細胞質と過度に濃い色の肥大した核を伴っていた;夏期実験のばく露ラットでの松果体形態学的変化は冬期のものほど強くなく、対照群での腺に関する所見は同等であった;立体学的方法では、冬と夏の両方のばく露群で、松果体細胞およびそれらの細胞質と核の体積密度減少が見られた;対照群では冬の場合に松果体細胞細胞質および核の体積密度増加が見られたが夏の場合は変化がなかった;したがって、光周期は、松果体形態学的構造に対するLF-EMFの影響の修飾因子であることが示された。その理由は、腺の回復が冬には不完全であり、夏には可逆的であることが考えられる、と報告している。

研究目的(著者による)

本研究の狙いは、ラット松果体形態学的特性に対する超低周波電磁界への3か月間の長期ばく露の影響に対し、光周期性が何らかのインパクトを及ぼすかどうかを判定することである。

詳細情報

雄のラット24匹に対し、生後24時間から性的成熟までばく露を実施した。対照群は同じく雄のラット24匹とした。本研究は、同一のプロトコルに従って夏と冬の両方で実施した。ばく露群及び対照群あたり6匹をそれぞれの季節(夏/冬)に、1回目はばく露の直後(グループI)、2回目はばく露の3週後(グループII)に調べた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 7 h/day, 5 days/week for 3 months

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • electric field
  • magnetic field
ばく露時間 7 h/day, 5 days/week for 3 months
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 coil with 1320 turns of 2.5 mm wire; animal cages placed on both sides of the coil on wooden boards with rubber base
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 50 µT minimum - - 50 µT - 500 µT
磁束密度 500 µT maximum - - -
電界強度 10 V/m - - - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

冬季に関する、グループIのばく露ラット松果体における最も有意な形態学的変化は以下の通り:充血、淡いピンク色の松果体細胞の減少、細胞質の欠乏、不規則なスティック状の核。グループIIでは、松果体細胞肥大化、細胞質空胞化、高色素肥大化した核。夏季の松果体形態学的変化は冬季ほど強くなく、グループIIにおける知見は対照群と同等であった。
立体学的調査では、冬季及び夏季の両方のグループIでの松果体細胞細胞質、核の体積密度の減少が認められた。冬季のグループIIでは、松果体細胞細胞質及び核の体積密度の増加が認められた。
松果体の回復が冬季には不完全で、夏季には可逆的であったことから、これらの結果は、光周期性が松果体形態学的構造に対する超低周波電磁界の影響の変更因子であることを示している。

研究の種別:

研究助成

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