研究のタイプ: サーベイ (医学/生物学の研究)

[哺乳類の脳におけるEMFの非熱効果:ルンドでの経験] review

Non-thermal effects of EMF upon the mammalian brain: the Lund experience.

掲載誌: Environmentalist 2007; 27 (4): 493-500

生物が存在する環境はここ数10年で劇的に変化した。生命は数10億年の間に形づくられ、重力、宇宙放射線、地磁気などの原始の物理力に晒され、適応してきた。現存する生物はこれらの力と調和して機能するように創られた。しかし、19世紀末期に人類は電気の使用を開始し、ここ数10年で現代通信社会のマイクロ波は世界中に広がった。今や、世界人口の3分の1がマイクロ波を発生する携帯電話の所有者である。問題は、「このような至る所にある無線周波電磁界によって、生物がどの程度影響を受けるのか?」ということである。1988年以降、我々のグループは哺乳類の血脳関門(BBB)に対する非熱無線周波電磁界(RF-EMF)の影響を研究してきた。これによって、研究を通して合計約2000匹のラットにおいて、非ばく露ラットに比べばく露したラットは、BBBからのアルブミン漏出が増大することが明らかにされた。注目すべき発見は、最低エネルギーレベルで最も顕著にアルブミン漏出が生じたことである。もし移動体通信によって、極端に低いエネルギーレベルでも、使用者のBBBからのアルブミン漏出が引き起こされるとすると、血液中のその他の不要で有毒な分子も脳組織中に漏れ出し、脳の神経細胞やグリア細胞に集まりダメージを与える可能性がある。最近の研究で、非熱レベルでのGSM915MHzへの2時間ばく露が、ばく露後28日目と50日目で、神経細胞に大きなダメージを与えることを示した。我々が継続している研究では、13カ月にわたる長期ばく露の非熱効果(組織学記憶機能)が調べられ、また遺伝子発現に対するGSM1800MHzの短期ばく露の影響も調べられた。我々の知見の多くは、生体が非熱無線周波電磁界の影響を受けることを裏付けた。他の研究室の研究は、いくつかの事例では影響を見出したが、他の事例では影響を見いださなかった。我々の結論として、この分野に関係するすべての研究者は、人間がつくり出したマイクロ波の悪影響の可能性を低減し、または回避するために、この研究を強化する義務があるということである。

影響評価項目

ばく露