研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[シロイヌナズナのカルシウムイオン濃度に対する弱い電磁界の一過性の影響] med./bio.

Transient effect of weak electromagnetic fields on calcium ion concentration in Arabidopsis thaliana.

掲載誌: BMC Plant Biol 2009; 9 (1): 47

この研究は、シロイヌナズナにおいて、Ca2 +イオンサイクロトロン共鳴条件に一致する磁界電磁界の組み合わせによって、Ca2 +濃度変化が引き起こされるか否かを調べた。エクオリン(シロイヌナズナで安定して発現する細胞カルシウムレポータータンパク質)を発現するシロイヌナズナ変異体(Col0-1 Aeq Cy +)に、約65 μTの静磁界の連続的ばく露下でCa2 +サイクロトロン周波数に対応する50Hz交流磁界(5 μT)を重畳ばく露した。高感度電子増倍管ユニットを用いて、遊離Ca2 +の変化をエクオリン生物発光によってモニタした。野生型シロイヌナズナを用いた実験を参照として行なった。その結果、50Hz交流磁界のオンおよびオフへの切り替えのどちらにおいても、細胞質Ca2 +の一時的な増加が観察され、後者の影響は交流磁界ばく露時間の増加とともに減少した;このような変化に比べれば、何も外因性の影響がない時の生物発光活性の長期の損失はごくわずかであった;静磁界の強度を変えてイオンサイクロトロン共鳴条件との不一致を起こした場合、磁界効果は急速に低下し、交流磁界振幅への依存性が見られた、と報告している。

研究目的(acc. to editor)

シロイナズナ Arabidopsis thalianaカルシウムイオン濃度に対する弱い電磁界の影響を調べること。

詳細情報

エクオリン発現しているArabidopsis thaliana突然変異体を65µT前後の磁界、及び50HzのCa2+サイクロトロン周波数に相当する電磁界ばく露した。印加したイオンサイクロトロン共鳴(ICR)は、検討されているメカニズムの一つで、小さなイオン生理学的利用可能性に影響を及ぼすことにより、電磁界の一定の周波数と強度について生物学的影響を予測している。

エクオリンを生じるArabidopsis突然変異体は、外因性ストレス因子に対する細胞質のCa2+の流れを調べるための強力な方法を容易にする。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: DC continuous through the whole experiment; AC up to 90 min superimposed
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: DC continuous through the whole experiment; AC up to 90 min superimposed
ばく露3: 50 Hz
ばく露時間: DC continuous through the whole experiment; AC up to 90 min superimposed

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 DC continuous through the whole experiment; AC up to 90 min superimposed
Additional information superimposed on a DC field
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 two pairs of Helmholtz coils with an inner diameter of 13 cm, wired one on the other, placed inside a permalloy shielding box; 200 turns for DC and 100 turns for AC field generation; sample dish placed in the centerr of the vertical axcis of the coil pairs
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 65.8 µT average over time 測定値 - DC field
磁束密度 5 µT average over time 測定値 - AC field

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 DC continuous through the whole experiment; AC up to 90 min superimposed
Additional information superimposed on a DC field
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 65 µT average over time 測定値 - DC field
磁束密度 0.1 µT average over time 測定値 - 0.1 µT, 1.5µT, 20 µT AC field

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 DC continuous through the whole experiment; AC up to 90 min superimposed
Additional information superimposed on a DC field
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2 µT average over time 測定値 - 2 µT, 55µT, 65 µT, 75 µT DC field
磁束密度 5 µT average over time 測定値 - AC field

Reference articles

  • Pazur A et al. (2006): [カルシウムイオンサイクロトロン共鳴に共振させた弱直流と50 Hz電磁界中でのオオムギの成長]
  • Carson JJL et al. (1996): [低周波磁界ばく露中の細胞懸濁液における細胞質遊離カルシウムの実時間検出のための蛍光スペクトロフォトメータ]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露前
  • ばく露中

研究の主なアウトカム(著者による)

このデータは、Ca2+サイクロトロン周波数の共鳴電磁励起が、細胞質ゾルにおけるこのイオンの濃度に及ぼす直接的及び急激な影響力を初めて示唆するものである。この変化は一過性で、60分以内に緩和された。Ca2+ICR条件をオン及びオフのどちらに切り替えても、Ca2+トランジェントが観察された。

植物における二次的メッセンジャーとしての Ca2+の各種機能に鑑みて、このメカニズムはこれらの複合電磁界の感知にとって重要かも知れない。

研究の種別:

関連論文