[低周波電磁界にばく露されたPC12細胞におけるドーパミンレベルの低下] med./bio.

Reduced dopamine levels in PC12 cells exposed to low frequency electromagnetic fields

掲載誌: Bioelectrochem Bioenerg 1997; 42 (2): 235-239

<目的>電磁界曝露のカテコールアミン代謝への影響について調べる。雑音電磁界重合わせによる電磁界誘発性の変化の解消について調べる。<方法>実験材料(細胞):ラットクロム親和性細胞細胞PC12。ヘルムホルツコイルヘルムホルツコイル(19ゲージの銅線、164巻、13cm×14cm、8cm間隔)の対を正方形のプレキシガラス製スタンドに垂直に取り付けて、ニューメタル円柱容器に入れて遮蔽。磁界発生装置:Wavetek Function発生器(12MHz、モデル23)を使用して60Hz電磁界を発生。サーチコイルを用いて波形パラメーターを監視、オシロスコープでAC波形を検査。磁界曝露条件:プラスチック製シャーレ(φ60mm)に入れたPC12細胞に、60Hz 8μTピーク(実効値 6.7μT)の電磁界を5-30分間曝露。雑音電磁界磁界曝露装置のコイル対の隣りに取り付けた追加のコイル対を用いて、60Hz電磁界パルス雑音バーストを10秒間発生。35Wの音声増幅器で増幅した制限帯域雑音源によりコイルを駆動(詳細は参考文献)。カテコールアミン分析:サンプルを遠心分離して0.1M過塩素酸(PCA)中で音波粉砕し、粉砕液の一部を電気化学的検出器付きHPLC(HPLC-ED)により分析。<結果>PC12細胞正弦波電磁界(60Hz 8μT)を5分間隔で30分間曝露し、細胞内及び細胞ドーパミン濃度の変化率を測定した。その結果、60Hz 8μTの電磁界を曝露した細胞では10分以内に細胞内ドーパミンが減少した(図1)が、細胞内ドーパミンの減少は単なるドーパミン細胞外への分泌によるものではなかった。経時変化の実験では、細胞外DOPAC濃度の時間依存的な上昇が見られ(図1)、細胞内ドーパミンの全般的な減少と相関が認められた。雑音電磁界(30-90Hz帯域 8μT)を60Hz電磁界に重ねて曝露した結果、15分の時点で60Hz電磁界による作用が解消された。60Hz正弦波電磁界と雑音電磁界の両方を曝露したPC12細胞ではドーパミン含有率の低下やDOPAC濃度の有意な変化はなかった。

ばく露

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