[1.6及び4.0W/kgのSAR値での835 MHz無線周波への1か月のばく露後のネズミの海馬におけるカルシウム結合タンパク質及びGFAPの免疫応答性の変化] med./bio.

Calcium-binding proteins and GFAP immunoreactivity alterations in murine hippocampus after 1 month of exposure to 835MHz radiofrequency at SAR values of 1.6 and 4.0 W/kg

掲載誌: Neurosci Lett 2012; 506 (2): 292-296

本研究では、マウスの海馬を用いて、比吸収率SAR)が1.6 W/kg(E1.6群)または4.0W/kg(E4.0群)における、カルビンジンD28-k(CB)、カルレチニン(CR)、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)の免疫反応(IR)の分布を測定した。その結果、両実験群では、偽ばく露対照群と比較して、CB及びCRのIRが減少し、CB及びCRの免疫反応細胞が消失し、肥大した細胞質突起を呈するGFAP のIRが増加することが示された。E4.0群ではE1.6群と比較して、CaBPタンパク質の減少及びニューロンの脱落に起因する、CB及びCRの各IRの顕著な減少が見られた。GFAPのIRは、E1.6群よりもE4.0群の方が強かった。著者らは、高周波ばく露により、CaBPが減少し、そのためカルシウム緩衝容量が影響を受けて、細胞死に至り、またGFAP IRの亢進及びアストロサイトの形態変化が生じて、脳損傷を媒介すると考えられると考察している。

ばく露

研究助成

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