[50 Hz磁界は細胞膜の構造的変化と生物物理学的変化を引き起こす] med./bio.

A 50 Hz magnetic field induces structural and biophysical changes in membranes

掲載誌: Bioelectromagnetics 1993; 14 (3): 247-255

<目的>今までは磁界細胞機能に影響を与えるには細胞膜に対する作用であると考えられてきたが、具体的に膜の変化を視覚的に捉える研究はなかった。電子顕微鏡にスキャニングで構造的な変化を調べることを目的とした。 <方法>悪性の骨髄増殖障害である赤白血病細胞(Erythroleukemic cell K562系)を使用し、フラスコ中の培養液で96時間培養しながら、2.5mTの50Hz磁界に連続曝露した。曝露システムは50x15cmのシリンダー状コイル中に温水循環システムを組み込み、37±1℃に調節できるようにしてある。細胞数は24,48,72,96時間で測定し、SEM材料を採取し、サンプルの細胞500を観測して表面の変化した細胞の%を求めた。同時に、各サンプルについてElectron paramagnetic resonance(EPR)の測定を行い、細胞膜の健全状態のチェックを行った。 <結果>①96時間までの細胞増殖は、磁界曝露区、シャム曝露区共に正常な対数増殖を示し、両区の差は見られなかった(図1)。②電顕像ではシャム曝露区では多数の短い微細な繊毛につつまれているが、磁界曝露区は表面が平滑または水ぶくれ或いは水泡状となっており、曝露時間と共にその割合が増加した(図2,3)。③EPR測定ではシャム曝露に比べ、膜の硬直化が見られた(図4)。著者は表面が水泡状となるのは種々の損傷の初期症状であり、カルシウムイオンの調節不能と結びついていると述べている。

ばく露

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