[カルレティキュリンは小胞体ストレスを低下させてマイクロ波放射誘発性の傷害からラットの微小血管内皮細胞を防護する] med./bio.

Calreticulin protects rat microvascular endothelial cells against microwave radiation-induced injury by attenuating endoplasmic reticulum stress

掲載誌: Microcirculation 2014; 21 (6): 506-515

この研究は、マイクロ波放射(MR)誘発性の傷害の軽減に対する外因性カルレティキュリン(CRT)の有効性を、CRTがラット心筋微小血管内皮細胞(MMECs)で小胞体(ER)ストレスを低下させるか否かの観点から調べた。4週齢のSDラットの左心室心筋組織から抽出したMMECsの培養皿を4群(各群複数皿)用に作製し、(1) 対照群:MR無ばく露、(2) MR群:2.856 GHz(30 mW/cm2)への6 分間ばく露、(3) CRT+MR群:CRT(25 pg/ mL)に12時間ばく露した後、2.856 GHz(30 mW/cm2)への6 分間ばく露、(4) CRT(25 pg/ mL)に12時間ばく露、の実験を行った後、MMECsでの乳酸脱水素酵素LDH)漏出試験、アポトーシス試験、細胞生存率試験によりMR誘導性の傷害を評価した。また、GRP78、CRT、CHOP、Bcl-2、Baxの発現分析によりERストレス反応およびERストレス関連アポトーシスを検査した。その結果、MRによる顕著なMMECsの傷害が示された(LDH漏出とアポトーシスの増加、細胞生存率の低下);またMRは過剰なERストレスとERストレス関連アポトーシス信号伝達を誘導した;外部からCRTを投与することにより、MR誘導性の細胞アポトーシスおよびLDH漏出、ERストレスおよびERストレス関連アポトーシス信号伝達活性化が減じた、と報告している。

ばく露