研究のタイプ: レビュー (疫学研究)

[成人の神経膠腫の疫学:“科学の現状”のレビュー] review

The epidemiology of glioma in adults: a "state of the science" review

掲載誌: Neuro Oncol 2014; 16 (7): 896-913

この総説は、成人神経膠腫の原因とリスク要因に関する現在の研究について、“科学の現状”のレビューを提供している。まず、一般的事項として、グリオーマは悪性脳腫瘍の81%を占める最も多い原発性頭蓋腫瘍である;発症は比較的まれであるが、かなり大きな死亡率および罹患率を引き起こす;神経膠芽腫(組織学的に最も多い神経膠腫:すべての神経膠腫の45%)の5年相対生存率は約5%である;これらの腫瘍のごく一部は、神経線維腫症、結節性硬化症、リ・フラウメニ症候群を含むメンデル性疾患が原因で生じる、ことなどを解説している。次に、神経膠腫ゲノム解析により、リスクおよび予後についての新たな証拠も出てきている現状として、最近発見されたバイオマーカ(O6 -メチルグアニン- DNAメチル転移酵素メチル化、イソクエン酸脱水素酵素の変異、神経膠腫シトシンリン酸-グアニンアイランドメチル化形質)は生存率の改善を示している;全ゲノム関連解析は、神経膠腫リスク増加と関連する7遺伝子内の遺伝リスク対立遺伝子を同定した、と述べている。次に疫学研究として、多くのリスク因子が神経膠腫リスクへの潜在的寄与因子として調査されている;その中で最も意義が大きいのは、電離放射線ばく露によるリスク増加およびアレルギーまたはアトピー性疾患病歴によるリスク低下である;職業的ばく露携帯電話の潜在的影響も調べられているが、決定的結果を示していない、と述べている。

影響評価項目

ばく露