[細胞とグラフェントランジスタの間の電気的結合] tech./dosim.

この研究は、生きた細胞とグラフェン溶液ゲート型電界効果トランジスタの間の電気的結合に関する実験とモデル計算を行った。修飾されたヒト胎児腎細胞HEK 293をグラフェントランジスタアレイ上で培養し、パッチクランプ法で電気的測定を行った。その結果、細胞膜の電圧依存型カリウムイオンチャネルの開閉を示すトランジスタの記録が得られた；細胞とトランジスタの隙間でのイオン動態の分析で、隙間においてイオン強度が上昇することが示された；グラフェン／電解液の界面の表面電位に対するイオンの遮蔽効果を考慮したグラフェン溶液ゲート型電界効果トランジスタのイオン感受性に基づき、細胞活動の結果生じるイオン濃度の影響が記述された；これら知見を総合して、細胞-トランジスタの結合のモデルは、当初の点接触モデルからイオン蓄積およびイオン感受性を含めたものに拡張された、と報告している。