研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[黄色ブドウ球菌のパルス電界への抵抗性における細胞膜脂肪酸組成の温度介在性変化] med./bio.

Temperature-Mediated Variations in Cellular Membrane Fatty Acid Composition of Staphylococcus aureus in Resistance to Pulsed Electric Fields

掲載誌: Biochim Biophys Acta Biomembr 2016; 1858 (8): 1791-1800

この研究は、パルス電界(PEF)による黄色ブドウ球菌ATCC 43300(細胞分裂静止期)の細胞膜脂肪酸組成、流動性、致死および亜致死損傷に対する温度上昇の影響を調べた。ガスクロマトグラフィ/質量分析法による分析で、細胞膜脂肪酸の主要構成となる種々の側鎖および直鎖脂肪酸を測定した。結果として、黄色ブドウ球菌細胞膜脂肪酸組成および流動性は、温度の変化により変化する;PEFばく露による致死および亜致死損傷は、細胞膜構造、電界強度ばく露時間に依存した不活化の程度で決まり、最初に不活化される細胞数は温度に依存する;流動性が増した細胞膜では低い温度でも電気穿孔が生じやすい;電子顕微鏡観察で、温度により細胞形態がさまざまな度合いで変化し、PEFの不可逆的電気穿孔による破壊まで生じることが見られた、と報告している。

ばく露