[超高圧直流送電線からの静電界は雄性の生殖能に影響するか? 雄マウスに対する実験研究からの証拠] med./bio.

Does static electric field from ultra-high voltage direct-current transmission lines affect male reproductive capacity? Evidence from a laboratory study on male mice.

掲載誌: Environ Sci Pollut Res Int 2017; 24 (22): 18025-18034

超高圧直流(UHVDC)送電線から生じる静電界による健康影響の可能性についての関心が高まっていることから、この研究は、雄マウスの生殖能に対する静電界への慢性ばく露の影響を調べた。超高圧装置で発生させた静電界(56.3±1.4 kV/m、49日間)にICRマウス20匹をばく露し、生殖器官係数精子運動性および形態、血清テストステロンレベル、ならびに精巣組織学を含む、精子形成および精巣機能に関連する複数の生物学的エンドポイントを評価した。その結果、ばく露期間終了の時点で、ばく露群と偽ばく露群に有意差は認められなかった。但し、透過電子顕微鏡を用いた更なる観察では、ばく露後の精子形成細胞のミトコンドリアに内襞の喪失が認められたが、ミトコンドリア損傷精子運動性には影響しなかった。著者らは、これはエネルギー供給の観点、即ち、精子の運動に必要とされるエネルギーの大半はミトコンドリアにおける酸化的リン酸化ではなく細胞質における解糖によって生じる、ということから説明できるかも知れない、と考察している。著者らは、この研究では静電界が雄性の生殖能に及ぼす影響は限定的であることが示された、と結論付けている。

ばく露